2022年2月22日火曜日

「豆味噌」と「麦味噌」を仕込んで、麹仕事は一旦終了

今冬は、市販の味噌として米麹味噌に次いでポピュラーな「豆麹味噌」「麦麹味噌」も仕込んでみることにします。

麦麹味噌用に起こした麦麹。これは丸麦が原料です。きれいです。


豆麹味噌用の豆麹。仕込みに使う豆と同じ大豆です。これだけでも美味しいです。


豆味噌づくり

左から豆麹、塩、茹でて潰した大豆。これに、大豆を煮た時の汁を加えて寝かせます。
麦麹味噌については撮影しませんでしたが、同じような感じになります。
豆味噌は瓶に詰めました。


未踏の味覚への期待感

麹歩合を変えた米麹味噌、甘酒、塩麹床、三五八床、豆味噌、麦味噌、(まだありますが・・)いろいろ仕込んでさて、どうしようというのか?

米がたくさん採れる私達の地域では、米麹味噌が当たり前のように作られてきました。米麹製品もたくさんあります。
でもどうなんでしょう?これからの時代はそれにこだわらず新しい味を作っていけるはずです。

例えば、雪国の気候風土で熟成させた「越後八丁」はどうでしょう?
地元の名物野菜をベースにした「金山寺味噌」と白いご飯も妙高ならではで、楽しいのではないでしょうか。

新たな文化から新たなアイデンティティを。それによって、住み続けられる地域づくりが見えるやも知れませんね。

2022年2月14日月曜日

米の七変化 〜 麹をベースに甘酒、塩麹、三五八漬けの床へ

昨日、作りたての麹で、各種仕込みをしました。
砕米(さいまい・胴割米)を分けていただいたので、あくまでそれだけでいきます!

先ずは、甘酒

蒸した砕米に水を足し、お粥にしてから、麹を加え60℃☓8時間で糖化。
うるち米だけの甘酒なので甘みはスッキリ。一部加熱して保存します。甘酒は料理にも使えます。
レシピは小泉武夫さんを参考にしました。(ご飯450g、米麹150g、お湯1100cc)

+塩で塩麹(↓左上)

米麹1,800g、塩540g、水1,800cc を混ぜて瓶に入れました。一晩経ったら、それだけでも結構美味しいですが、かき混ぜながら1週間でさらに良い塩麹にしていきます。

作りたての麹がポイントかなぁ、今回は若い段階から調味料で楽しんでみようと思います。


ひと手間かけた三五八漬けの床づくり(↑下中央)

塩、米麹、ご飯を、3:5:8で「サゴハチ」ですが、その通りやるとかなり塩っぱいので、塩を減らしたレシピ(こちらも小泉さん)です。塩200g、米麹1kg、蒸米1,650g。
蒸米にしたのは、砕米は炊飯が難しいため。
水分は少ないと思いますが、それがまた好都合。

「ひと手間」と言ったのは、ただ混ぜるだけではなく、「糖化プロセス」を踏みます。
甘酒と一緒に作るのがポイントです。どうせ甘酒も60℃で糖化させるのですから・・

米麹と蒸米をよく混ぜ合わせた状態で、60℃☓8時間加熱します。(写真の状態、少しペタッとなりました)
ほんのり甘みが出てきます。仕上げに塩を混ぜてできあがり。

これで漬けた野菜はどんな味だろう?
想像しただけでも美味しさが浮かんできますね。

 

SDGsの「作る責任」

目標の12は「RESPONSIBLE CONSUMPTION & PRODUCTION」
直訳すると「責任ある消費と生産」です。

農家はお米を作って不要になったもの、例えば砕米とします。
胴割れした米が混ざっていると等級が下がる、という市場の仕組みです。
お米を炊いても胴割米が入っているとベタつきが出るので、より美味しいご飯を、となれば胴割米を除くことも大事なことです。

私達は、三五八漬けの素も買う、甘酒も買う、塩麹も買う。その一方で、砕米(胴割米)は活用されずに廃棄してしまう、もしそんな現状があるとしたら、非常にもったいないし、無駄な消費と生産をしているように思えませんか?

もちろん、砕米にしても取引市場はあるのかもしれません。でも、消費者によってきちんと評価されていれば、もう少し違った循環が生まれていても良さそうなものです。

コストと効率。分かってはいるけど、をなんとかしよう

「分かってはいるけど」、と目をつぶっていたのが昨日までだとしたら、「なんとか、ならないかなぁ」、と今日から半歩前へ歩き出すことが大事ではないでしょうか

2022年2月12日土曜日

砕米麹の完成、いわゆる「胴割米オンリー」で麹を作る

 胴割米、農家さんにすれば出来て欲しくない不良品かもしれませんが、そうもいかないようです。ご飯に炊いてもデンプンが出てしまい思わしくありません。

家畜や鳥の餌にする、畑の肥やしにする、利用方法はいろいろあるかもしれませんが、せっかくの農作物ですので美味しく食べる活かし方ができればいいなぁと思います。

砕米麹(さいまい・こうじ)への道

あえて砕いたわけではありません、あるかたから聞くと、昔は「りっせんした」と呼んだそうです。ふるった際にメッシュの下に落ちたものだけを集めたものです。
今回、知り合いの農家さんから、実験的に分けていただきました。

蒸し上がりです。

これは、生米の状態でふるって落ちた細かい糠です。

室入れ後24H、一回目の手入れの様子。麹菌は回りましたが、破精落ち(はぜおち)が全形の米よりも目立ちます。丁寧にほぐして再度室入れします。

翌日、出麹。表面に幾分の破精落ちはありますが、全体的には使える良い出来だと思います。



サスティナブルに

胴割米によって原材料費は下がるかもしれませんが、麹作りの特徴として、手間と観察や数回の手入れ、多少の設備や時間はかかります。
「捨ててしまうなら」と思えば、甘酒や漬け物、塩麹と思う存分使えるので収穫は大きいです。
「どのように循環させたらより幸せ?」そう考えると夢が広がりますね。

2022年2月5日土曜日

手作り味噌が「持続可能」の鍵!?フードマイレージ、オーガニックを学ぶ出前教室

おいしい味噌はどこにいった?

あせ水流して、耕した畑に種をまき、自分で収穫した野菜を食べる。都会の人達は、こんな体験が、なによりワクワクできて貴重な経験だと思っていることでしょう。田舎の農家にとっては、昔からそれが当たり前で特別なことではありません。(でした)

昔からの農村の暮らしかたは、見えないところで自分たちの健康や周囲の環境に優しかったり、地域の独自の文化を育てたり、安定的な経済や安全安心につながっていたように思います。
味噌作りはその最たるものだと思います。

畑や田んぼの土手に豆をまき、米で麹を作り、味噌を桶に仕込む。
それがいろいろな関わりのなかで行われていました。

自給自足的な農家は、「もっと合理的に、もっと楽に」ということで、工業的な資材や機械を取り入れるなどして人手に頼らず多収できるテクニックを身に着けました。一世帯の人数が減少した今では、「自分で作るより買ったほうが無駄も無いし、意外とおいしいじゃん!」。おおかたそんなところではありませんか。

町に何件もあった糀店(味噌屋)は激減し、自分の家で味噌を仕込むことは殆どありません。共同で仕込んだもの(仕込み味噌)を買って自宅で熟成する、などはあります。インターネットで手作り味噌のキットを購入する方もいます。

他方では、味噌は無くても困らない。味噌の味が分からない。そういった方も少なくはないようです。

グルメ番組やインスタ映えする料理など、正直言ってビジネスや情報に振り回される食生活が蔓延しています。自分の手で食べ物を作ることからかけ離れてしまい、「食べ物ってどうあるべき?」なんてことから、どんどん無関心になっていくことに大きな不安を抱いています。

和食が脚光を浴びたりしている昨今、私達にとって「ほんとうのおいしい味噌」っていったい何なんでしょう。


立春の味噌煮会

令和4年2月4日は立春です。暦の上では二十四節気の最初の節気、言ってみれば一年の始まりのような日に、市内の小学校で、学習の一貫で味噌煮を行いました。たまたまかもしれませんが記憶に残る良い日です。ちなみに「味噌煮」とは味噌の仕込みのことをこう呼んでいます。

「無農薬、無化学肥料、手作りの発酵調味料づくり」をテーマに

昨年の初夏より、地元に伝わる大豆(もち豆)を学校の畑に蒔き収穫したものを、地域の米で作った米麹で仕込んでいきます。(妙高市上小沢集落、無農薬・無化学肥料の千田さんの米で麹を作る



20時間水に浸したもち豆。もち豆は大粒で緑がかり、帯が黒いのが特徴です

仕込みの様子

  • 10時に点火。浮いてきた泡をすくいます(左)
  • およそ2時間煮て柔らかくなった豆。食べてみて粒が残らず、ねっとりした感じまで煮ます。豆の緑色は黄色に変わり、湯は茶色でとろみが出て、豆の旨味が溶け出し甘い味がします。(右)

  • ザルで種水(茹で汁)を分け、豆を潰します。触感を体験するため機械は使わずに行いました(左)
  • 麹と塩を合わせたものと、冷ました豆をよく揉んで合わせます。種水も計量して混ぜます(右)

  • 味噌を玉にして詰めながら、しっかりと空気を抜きます。このあと重しを乗せて、発酵・熟成させます

SDGs、フードマイレージ、有機JAS(オーガニック)、麹歩合いろんなキーワードがあるぞ!

いっしょにこんなことを勉強しました

おしまいに、サスティナブル(持続可能)な暮らしに向けて味噌作りを

調理体験は一瞬で終わってしまい、食材のトレーサビリティや環境負荷のことまで実感できません。出来上がったものを試食するころには、視覚や味覚のほうに気持ちがいきます。
もちろん、全てが合わさって「おいしい」と思うのでしょうが、出来ればこのような体験を日常化して、自然体で感じるようにしていただきたいと思います。
必ずしも、いつも上手くできるとは限りませんし、そうした凹凸(おうとつ)こそ自然の証です。

手作り味噌を皮切りに

味噌は、発酵という、微生物と自然環境の力を借りた保存食でもあります。作物を貯蔵し、美味しく変化させ、身体に良い効果もあります。何より、大豆と米と塩以外に何も入っていないシンプルな食材なのに、味噌汁にしたり、料理に加えた時にびっくりするくらい美味しくなって、白いご飯とお味噌汁の「一汁一菜」や、おかずを加えた「一汁三菜」がこの上ないご馳走に感じるようになります。

味噌汁の出汁も、インスタントよりもできるだけ天然のものを使いたくなります。具も家庭菜園で採れた野菜や、顔の見える野菜を求めて食べたくなります。おかずもシンプルになります。味の濃い調味料で覆ったものは、白いご飯や香りの良い味噌汁に合わないのです。このように、手作り味噌というリーダーが他の仲間を引き寄せてくるような感覚です。

小さな発見が嬉しくなります

自分で味噌を仕込むようになると、時間がたった味噌の味の変化に敏感になります。塩辛さが抜け、色は濃くなりますが、微妙な酸味や渋みが出てきてこくのある味噌になっていきます。若い爽やかな香りの味噌、古い深い味わいの味噌、それぞれに合わせて料理を作るのも楽しいですし、仕込み材料の配合を変えたり、麹も自分で作りたくなります。

そうこうして、身の回りのものと春夏秋冬、大地、人や生き物の皆んながつながって巡っている地域の恩恵に、感動や感謝の気持ちがあふれてきます。
手作り味噌はそんな存在です。

2022年2月1日火曜日

「無農薬・無化学肥料の味噌」を仕込みました R4年2月1日寒仕込み

「おいしい」をもう一歩先まで!
味が良い、身体に害のあるものが入っていない、それに留まらない食体験を目指しています。

昨年(R3年)の6月18日に撒いたもち豆(妙高市新井南部地区で受け継がれた味噌用の豆)は、収穫後に殻をとって選別して、昨日水に浸し、本日8時に浸した水のまま火をつけました。
ごらんのように緑色をした大粒の大豆です。もち豆はへそが黒いのが特徴です。
 

1時間ほど煮た状態。水に溶け出した成分は甘く、色もつき始めました。あと1時間、潰してペースト状になるまで煮てザルにあけます。煮汁(あめ)はとっておきます

道具は殺菌して、細目のミンサーにかけ、雑菌を減らすように手早く冷やします。しっかりと潰してやることが大事です。

今回の麹は特別な材料を使いました。(妙高市上小沢産の千田さんのササニシキ)3日前に枯らしに入り、それから少しの間にさらにふっくら成長しています。緑色系の麹でたいへん状態が良いです。

塩は天然の海塩です。高級な塩というものにこだわりません。
令和4年の仕込み味噌は2種類の麹歩合(配合)で作りました。ここが工夫したポイントです(ページの末尾で解説します)

麹をほぐし、塩と混ぜ、潰した豆と混ぜます。取り置いたあめ(煮汁)を入れて丁寧に合わせて出来上がりです。

桶に詰める前の状態です。黒い粒がもち豆のへそになります。
空気をしっかりと抜いて夏を越して徐々に楽しみます。