2022年2月1日火曜日

「無農薬・無化学肥料の味噌」を仕込みました R4年2月1日寒仕込み

「おいしい」をもう一歩先まで!
味が良い、身体に害のあるものが入っていない、それに留まらない食体験を目指しています。

昨年(R3年)の6月18日に撒いたもち豆(妙高市新井南部地区で受け継がれた味噌用の豆)は、収穫後に殻をとって選別して、昨日水に浸し、本日8時に浸した水のまま火をつけました。
ごらんのように緑色をした大粒の大豆です。もち豆はへそが黒いのが特徴です。
 

1時間ほど煮た状態。水に溶け出した成分は甘く、色もつき始めました。あと1時間、潰してペースト状になるまで煮てザルにあけます。煮汁(あめ)はとっておきます

道具は殺菌して、細目のミンサーにかけ、雑菌を減らすように手早く冷やします。しっかりと潰してやることが大事です。

今回の麹は特別な材料を使いました。(妙高市上小沢産の千田さんのササニシキ)3日前に枯らしに入り、それから少しの間にさらにふっくら成長しています。緑色系の麹でたいへん状態が良いです。

塩は天然の海塩です。高級な塩というものにこだわりません。
令和4年の仕込み味噌は2種類の麹歩合(配合)で作りました。ここが工夫したポイントです(ページの末尾で解説します)

麹をほぐし、塩と混ぜ、潰した豆と混ぜます。取り置いたあめ(煮汁)を入れて丁寧に合わせて出来上がりです。

桶に詰める前の状態です。黒い粒がもち豆のへそになります。
空気をしっかりと抜いて夏を越して徐々に楽しみます。

香りがよく旨味のある配合とは?

減塩ではなく、香りと旨味、麹の甘みを引き出した味噌を目指しています。夏を越して味見をしますが、来年以降もだんだんと変化していく味を観察していきたいと思います。

15歩と20歩の2種類を仕込む

麹歩合(こうじぶあい)とは、大豆と米の比率です。単に大豆と米と言っても、「重量なのか暈(かさ)」なのか、「原料米か米麹か」で変わりますよね。またその辺りまで正確な統一ルールというものも見当たらないので、今回、各種文献等を参考に、私のこれまでのデータで計算式を作り直しました。麹歩合については、「乾燥大豆の重量と米麹の重量の比」としました。水分含有率はそれぞれの材料の合計を出した上で、加える種水(あめ)を48%となるよう予め計算しておきます。さらに、全体量に対する塩分濃度が12.5%になるよう塩の量を準備しておきます。

15歩(割)は乾燥大豆3kg、米麹4.5kg。20歩(割)はそれぞれ3kgと6kgとなります。

例えば、上記の15歩は、塩が1.8kg、種水が1.6kgとすると、水分含有率48%、塩分濃度12.5%の味噌になります。

今回を足がかりに発展型へ

昔から多く作られてきた「麹歩合が同割の味噌」は私の仮説ですが、10歩味噌の事で、乾燥大豆3kg、米麹3kgの味噌です。この場合私の計算式では、塩が1.45kg、種水は700ccとすると、塩分濃度も水分含有率も一定になります。
なお、乾燥大豆が茹でた時の増量率や、米の麹になった時の増量率などもデータ化していますので、あらゆる配合を試す場合でも当てずっぽではなく、再現性のある基準を今回作ることができました。

今回の味噌は「ムラ15割味噌」「ムラ20割味噌」と名付けました。出来上がった味噌を味見しながら、配合を変えたり材料を変えたりしながら完成度を高めていきたいと思います。

最後に、Well-Eatingな味噌について

作り手ができるだけ関わって、どのようにして作られたか、どんな思いが込められているかを伝えられるような味噌にしたいと思いました。

大豆は、近くの泉地区でずっと作られていた豆ですが、種用に取り置き、今年も有機で栽培する予定です。米は友人が手をかけて作ったものです。ササニシキという粘りの少ない米の特徴と、もやし(種麹)がマッチして上質な米麹になりました。

味噌の香りと旨味を活かして、一汁一菜のベースとなる、ほっとする味噌汁をイメージして麹歩合(配合)を工夫しました。出来上がったら召し上がっていただく機会を作ろうと思います。

また、こんな農事や食卓作りに参加したい方の声も待っています。これまでも味噌は手作りしていましたが、ただ美味しいのではなく、より多くのかたと循環を共有したい思いです。
味噌は本当にすばらしい食材です!

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